ペルシャ織り遊牧民絨毯のギャッベ

古来から何世紀にも渡る伝統の織物ギャッベは、南中央ザグロス山脈とその平野の部族の手織り絨毯のことをいいます

ペルシャ語で粗いものの意味を持っており、世界の中でも独特の風合いの粗い織り目で知られ、女性遊牧民の手により制作されている伝統の織物といえるでしょう。

もともとは個人の生活必需品として利用されていましたが、それにとどまらずインテリアや芸術的な用途にも利用されており、大自然の中で生まれたのびやかな感性が表現され欧米などで近年大きな話題を集めており注目されています。

デザインも特徴的で部族の象徴をデフォルメし、幾何学模様の文様に織り手のユニークな表現を込めており、織り手の物語を体現しています。

ギャッベは比較的粗い結び目の密度で織られたもので、パイルが長めのものが多く1〜5センチ位まで様々あり、かなり厚みがあります。

手紡ぎの良質なウールが使用され羊毛の部位により光沢や手触りが異なり、首の回りは特に柔らかい質感になっています。

通常は組み立ての簡単な水平織り機で織られ、南イランの遊牧民には欠かせない道具です。

染料はザグロス山脈にある天然の植物や根から抽出されており、ザクロの葉、クルミの殻、インディゴなどで多様な色合いを作り出します。

重量感ある厚い豪華な羊毛パイルの粗い毛並みが特徴的で、古代は柄もなく素朴なものでしたが、近年はグラデーションなどの凝った染色が施されたり、大胆で明るく人や動物、部族の風景を自由に映し出す自由な作風のギャッベが大変人気です。

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